6月21日、46台目のスマイルピアノをお届けしました。
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リビングの床を補強して、到着を楽しみに待っていてくださったのは、宮城県大崎市に住む佐藤さんです。
西村の番組「SMILE WIND」を聴いて、ラジオ局にメールで問い合わせてくださいました。
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佐藤さんは、サッカーが大好きな息子さんとともに、今年の春に仙台市から引っ越してきたばかりです。
東日本大震災が発生したときは、当時6歳だった息子さんと仙台のご自宅にいて、おふたりともインフルエンザで寝込んでいたのだそうです。
激しい揺れで倒れてしまった大切なピアノは音が出なくなり、処分せざるをえませんでした。
音楽が大好きな佐藤さんは、それからずっと、卓上のキーボードで弾いていたのです。
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大崎市にある現在のお住まいは、佐藤さんのご実家です。
おひとりで暮らしていたお母さまが施設で療養中のため、ご実家に戻られたのでした。
生まれ故郷とはいえ、職場や生活環境が変わってご苦労も多いと思うのですが、佐藤さんは毎日フルタイムでお仕事をしながら複数の趣味を楽しんでいらっしゃって、とてもアクティブで素敵です。
歌を習い、クリスタルパフュームフラワーの作品は近々海外のホールで展示されるかもしれない、というほどの腕前なのです。
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小学5年生でピアノを始め、音楽学校で学んだ佐藤さんは、子どもたちにピアノを教えていたことがあり、一時期は生徒さんが18人もいたそうです。
スマイルピアノが届いたら、またピアノ教室を開けるかもしれない――。
そんなふうに夢を膨らませていたと聞いて、西村はとても嬉しく思いました。
ぜひ実現してくださいね。応援しています!
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お届けの当日はあいにくのお天気だったので、雨で濡れないようにするために、スマイルピアノは厳重にラッピングされていました。
リビングへ運ぶ途中、運送業者さんのTシャツが釘にひっかかって動けなくなってしまうというハプニングがありましたが、無事にスマイルビアノの設置が完了。
毎回そうなのですが、この瞬間は、自然と拍手が起こります。
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親戚の皆さんも集まっていてくださいました。
実は皆さん、オカリナの名人なのです。
おひとりのかたが娘さんの結婚式でサプライズ披露するために、たまたま震災の直前にオカリナを習い始めたのだそうです。
震災後は避難所などで演奏する機会が増え、ほかの皆さんもオカリナを吹くようになり、今ではユニットとして演奏を楽しんでいらっしゃいます。
これからは、佐藤さんのピアノも加わって合奏できますね。
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弾き初めのセレモニーにふさわしい曲を考えていた西村は、「見上げてごらん夜の星を」がぴったりくるのではないかとひらめき、心をこめて演奏しました。
そして、佐藤さんに歌の披露をお願いして、カッチーニの「アヴェ・マリア」を合奏。
美しい声で、とても上手に歌い上げてくださいました。
素晴らしかったです。ありがとうございました!
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今回のスマイルピアノは、東京在住のマリコさんから譲っていただきました。
復興支援のため宮城県を訪れていたときに、たまたま車の中で「SMILE WIND」を聴いて西村の活動を知り、ご連絡をくださったのです。
こうした偶然の重なりによって、スマイルピアノをお届けできているのだと思うと、感激して胸がいっぱいになります。
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マリコさんのご主人は、4年ほど前に2年半にわたって宮城県に単身赴任し、震災の復興支援に携わったそうです。
マリコさんはご主人のもとを訪れるたびに、被災された地域のかたがたに、なんらかのかたちでお役に立ちたいと思っていたそうです。
「自分のピアノが役に立って嬉しい」と、何度も話してくださいました。
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マリコさんのピアノは手入れが行き届いていて、サビひとつなく、とても大切にされていたことがわかります。
3人の娘さんもピアノを習い、皆さんで演奏を楽しんでいたのですが、残念ながらご自宅のマンションで音を出すことが難しくなり、ピアノの蓋は閉じられたままになっていました。
「新たな地で、さらに美しい音色を奏でてもらえることになり、きっとピアノ自身も幸せだと思います」という温かいメッセージ。
マリコさんは「SMILE WIND」に電話での出演もしてくださいました。
マリコさん、ほんとうにありがとうございました。
これからは、佐藤さんがピアノに愛情をたっぷり注いでくださいます。
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今回のお届けに際して、ピアニストの石塚まみさんから大変温かいご支援をいただきました。
石塚さんは3月、東日本大震災で被災されたかたがたを支援するチャリティコンサートを開催し、その収益の一部を「スマイルピアノ500」に寄付してくださったのです。
コンサートには、西村も飛び入りで参加させていただきました。
石塚まみさんのご厚意、そしてコンサートをプロデュースしてくださった寺沢龍二さんにもこの場をお借りして心よりお礼を申し上げます。
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「スマイルピアノ500」の活動は、こうして多くの皆さまのご温かいご支援によって支えられています。
ピアノをお譲りくださるかたにも、到着を楽しみにしてくださっているかたにも、長くお待たせしてしまうことがあるのですが、西村とスタッフはこれからも誠実に、できるだけ早くお届けできるように、頑張ってまいります。
今回も皆さまの温かいお気持ちに包まれて、たくさんのエネルギーをいただきました。
ほんとうにありがとうございました。
次回のお届けのことを考えて、今からワクワクしています。