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ピアノとピアノの音を被災地に。「Smile Piano 500」

活動の報告

2019.11.10

ピアノを届けに 〜岩手県陸前高田市

11/10(日)に、2台のピアノをお届けしてきました。

60台目のお届け先は、陸前高田・松田さんのお宅。
松田さんは中学校の先生をされている、男の子3人のお母さんです。

以前、住んでいたのは、山の木を切って建てた瓦屋根の家で、庭師のおじいさんが、いつも庭を綺麗にしていました。

震災の当日は中学校にいて、慌てて高い山に逃げましたが、家は津波の引き波で流されたそうです。
ご主人のお姉さんが北上にお住まいだったので、半年ほど身を寄せていましたが、次男が地元に帰りたいというので、9月から気仙町の仮設住宅にもどりました。
育ち盛りの男の子たちとの生活は大変で、お母さんは台所に寝ていたんだとか、、、
夜中はトイレに行く子供たちが、「顔を踏まないように」とハラハラしていたそうです。
3人の息子のさんがピアノ以外にも習い事をしていたので、それぞれの送り迎えも松田さんがしていました。
教師をしながらの子育ては目が回るほどの忙しさだったとお話してくれました。

5年前に、ようやく現在の新築にお引越し。
高台とあって隣は仮設住宅です。
家の前には豊かな自然が広がっていて、朝は雉子の親子やカモシカも来るんだそうです。

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長男は絵が好きで、見事な桜の木と震災後の絵を見せていただきました。
とっても素敵な絵で、びっくりしました。
三男も触発されて絵を描くようになったんだとか、、、


松田さんは小田和正さんの歌が好きで、何度かコンサートにも行かれたそうです。
楽譜を持っていらしたので、小田さんの曲を演奏。
「たしかなこと」「言葉にできない」「ラブストーリーは突然に」
懐かしい気持ちで弾いていたところ一緒に歌ってくださいました。
最後に「微笑みの鐘」を演奏。
演奏後に、ピアノを譲ってくださった工藤さんと電話を繋ぎ、直接お話をしてもらいました。

61台目のお届け先は、陸前高田・菅野さんのお宅。
菅野さんは保育士をされている、長女、次女、長男、3女、4人の子供のお母さんです。

ピアノは、設置場所は2階だったのでユニックで搬入。
みんなが見守る中、ピアノがクレーンでゆっくりと吊りあげられると、真っ青な空にピアノが浮かびあがります。
その様子は、ダイナミックで美しい光景でした。

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菅野さんがピアノが届く話をご主人にすると、「ピアノもいいなあ、教えてよ」と言っていたそうです。
今頃は、家族みんなでピアノを弾いているんでしょうか。

当日は、昨年お届けした2軒お隣の保育所の所長さんと、いつもお世話になっているピアノ教室の先生が顔を出してくださったんです。
陸前高田には何度も足を運んでいるので、「顔見知りの方が増えたなぁ」と実感できる瞬間でした。

ピアノが運び込まれると、早速、菅野さんが弾きぞめで、『ねぇ、サンタクロースのおじいさん』を演奏。
「これ楽譜よ」と渡され、鈴木先生、西村、みんなが歌で参加して、即興コラボレーションに、、、
ピアノを譲ってくださった新井田(にいだ)さんに電話を繋ぎ、菅野先生にも、直接お話をしてもらいました。


帰りには、高田松原津波復興祈念公園に立ち寄ることが出来ました。
立ち寄る直前、西村の頭上を大きな3羽の白鳥が飛んでいて、「シベリアから飛来した白鳥も、西村の活動を応援しているのだろうか」と、、、
公園内の津波伝承館では、津波の恐ろしさを伝える映像やデータ、被災した消防車などが展示されていて、多くの人が見に来ていました。