この間、NHK-FM番組の収録でパイプオルガンを訪ねました。
ピアニストなら、パイプオルガンも弾けるんじゃない?と思われるかもしれませんが、とんでもない!
実際に弾いてみると「こんなに簡単なフレーズが、なぜ弾けないの???」と情けなくなるほど難しいのです。
ピアノとの大きな違いの一つは、音に時差があること。
ピアノは鍵盤を押すと、すぐに「ポーン」と自分の音が耳に返ってきますが、
パイプオルガンは、しばらくしてから「ブオー」というかんじで音が聞こえます。
その遅れて聞こえる音を気にしていると、演奏もどんどん遅くなってしまいます。
オルガニストは、普段どんなことを心がけているのか?
オルガンを作る人は、どんな思いで製作しているのか?
今回、番組を通じて、オルガニストの方やオルガンビルダーの方たちのお話を伺うことができました。
まず、オルガンは楽器の仕組みが管楽器に近いそうです。
ハンマーで弦をたたくピアノは、どちらかというと打楽器。
一方、パイプオルガンは、それぞれのパイプに空気を送り込んで音を出すわけですから、管楽器に近いというのも納得。
その話を伺った後に、一つ一つの音を口で吹いている気持ちで弾いてみると、ずいぶん演奏しやすくなりました。
また、そのほとんどが手作りで製作されているのに驚きました。
持ち運びができる大きさのオルガン(私が子供の頃に教室にあった足踏みオルガンのようなもの)でも、
1台仕上げるのに、7~8ヶ月かかることもあるそうです。
特にホールのパイプオルガンは、そのホールの大きさや響きに合わせて楽器を作るので、
全ての部品がそのホールのためだけに作られます。
いわゆる、オーダーメイド。
機械で大量生産というわけにはいかないのですね。
もう一つ驚いたこと。
日本人のある研究所の所長さんが、世界に誇れるオルガンを日本にも!と決意し、
有名な北ドイツのオルガン製作者の方に依頼したのですが、
その製作者の方との打ち合わせをするまでに、何年も待ったそうです。
年数は、2~3年ではありません。4~5年でもありません(笑)
答えは、放送を聞いていただいてからのお楽しみ!
番組情報はこちら↓
http://www.nishimura-yukie.com/3012/
マテュー・ガルニエさんと。お父様も有名なオルガンビルダーだそうです。
オルガニストの塚谷水無子さんが、音色を選んでいます。
私も、小型のオルガンを弾かせてもらいました。
こうして見ると、やはり大きい!